東京高等裁判所 平成7年(ネ)2904号 判決 1995年10月30日
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
三 原判決主文第一項の「甲野」を「甲原」と更正する。
理由
一 当事者の求めた裁判
1 控訴人
(一) 原判決を取り消す。
(二) 被控訴人らの請求を棄却する。
(三) 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。
2 被控訴人ら
主文一項と同旨
二 当事者の主張及び証拠関係
当事者の主張は、原判決の「事実及び理由」中の「第二 事案の概要」に記載のとおり(ただし、原判決二枚目表一行目の「甲野」を「甲原」と、同三枚目表五行目の「二八日」を「一八日」とそれぞれ改める。)であり、証拠の関係は、原審記録中の証拠に関する目録記載のとおりであるから、これらをここに引用する。
三 争点に対する判断
当裁判所も、被控訴人らの本訴請求は、正当としてこれを認容すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり付加するほか、原判決の「第三 判断」に記載の理由説示と同一であるから、これをここに引用する。
原判決四枚目表一一行目の次に行を改めて次のとおり加える。
「《証拠略》によれば、被控訴人花子は、大正一四年九月六日東京府《番地略》に於いて出生した旨父亡松夫によつて同月一八日届出がなされ、これに基づいて父松夫、母ハナの長女として戸籍に記載されていること、亡ハナは、大正一二年ころから右《番地略》において亡松夫と同居し、そのまま、大正一四年八月同人との婚姻を経て昭和四二年二月二二日死亡するまで同所で亡松夫と夫婦同居生活を送つていたこと、被控訴人花子は、出生以来、同所において亡松夫、亡ハナ夫婦の下で監護養育されて成長し、現在も同所にそのまま居住していることがそれぞれ認められ、これに反する証拠はない。右事実によれば、被控訴人花子は、亡ハナの子であると認めることができる。」
四 結論
よつて、原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、なお、原判決主文一項の「甲野」は「甲原」の誤りであることが明らかであるからこれを更正することとし、控訴費用の負担について民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 丹宗朝子 裁判官 新村正人 裁判官 市川頼明)